hansuu

くだらない生活と脳みそ

零落

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弟から頂いた浅野いにおの漫画を読み耽った。零落は自分の今の状況に少し違うけれど似ていて、たまらない気持ちになったし、大人になってから読むソラニンにはそれはそれは破壊力があった。

もう、ソラニンが出て十一年が経つらしい。信じられないスピードを感じた。新装版のソラニンは、全二巻ある単行本を一つにまとめて、最終話二十九話を追加したものだった。種田が死ぬシーンまでの一巻が好きで、ソレばかり読み直していたことを思い出した。種田が空を見つめて笑っている顔と芽衣子の健気な笑顔が並んで、叫びたくなる気持ちだった。

ふと、(浅野いにおは救いようの無い漫画しか描かないから嫌だ)と誰かに言われたのを思い出した。確かに救われないのだけれど、ソレは決して絶望では無いよな、と思う。

自分がいにおの漫画を好きな理由はやっぱり今でもよく分からなかった。新装版を読んだら、芽衣子たちが本当の同級生に思えて、旧友に久しぶりに会った感覚がした。彼らが元気やってるのが分かって安心したし、ソコにはやっぱり種田だけが居なかった。

十年前と違うのは、ソラニンにメロディが付いたことだ。ゴッチの歌声が漫画の中から聴こえるのだ。