hansuu

くだらない生活と脳みそ

カイシンノイチゲキ

前職の仲の良い先輩から連絡が来た。お互いに、人と連絡を頻繁に取り合うような人間ではないため、夏にしていただいた送別会ぶりの連絡だった。仕事の合間に進めていた自邸がようやく竣工したらしい。写真を添えて送ってくださった。はじめて見るはずなのにどこか懐かしさのあるソレに、何とも言葉では表現し難い気持ちになって、自分が好きだった職場のことを思い出した。先輩の描く図面を誰よりもたくさん見てきた自分だからこそ、懐かしさが込み上げてくるのだろう、と思った。

何よりも"自分は建築が好きだった"。改めて自分にはソレしかないんだな、と再確認が出来て少しだけ安心した。ぬるま湯に浸かっている今の生活に慣れてしまったら、もうあそこへ自分は戻れないのではないかと少しだけ恐怖を抱いていたからだった。

前職に就く前も、辞めてしまった後も、自分の理想を実現できるような場所で働きたい、とずっと思っていた。でも、自分の理想はまだまだ薄く滲んでいて、自分自身が迷子になってしまっている状態だ。ぼやけたソレがハッキリした輪郭を象るまで、永遠の修行になるのだろう。死ぬまで修行かもしれない。それでもいい、今はやりたいと思える。きっと、やり続けられる。根拠の無い自信だけは、ある。精神的にも、身体的にも、過酷な仕事だと分かっていても、やっぱり戻りたいと思ってしまうのだから。

 

先輩からの不意の連絡のおかげさまで、自分の中に眠っていた強い意志を呼び起こすことが出来たのが何よりも嬉しかった。自分らしさを取り戻したような、自分が生まれ変わったような気さえするのだ。

自分は「自分」をつくるのが本当に上手い。

と、自画自賛する。自嘲とも言えるかもしれない。好きな人の前、恋人の前、家族の前、上司の前、同僚の前、昔の友人の前、それぞれに別の「自分」が存在する。忘れてはいけない、インターネットの中の自分も、だ。けれどそのどれもが微かに自分自身であり、全てが自分とは違っていた。インターネットで好き勝手に生きている自分が本当の自分なんだ、と胸を張って言える気がしない。最近は特にそれが顕著だ。限りなく近い、また別のモノのように思える。数学で言うところの「漸近線」に当たるような、これ以上しっくりくる上手い言葉も見つからない。TwitterInstagramSNSなどというものはエンターテインメントに過ぎない。言ってしまえば半分ネタ。そうやって生きていく方が楽で愉しいのだから。

 

去年が終わる瞬間、2018年12月31日23:59に送ってくださったメールの中にあった強い意志に共感した。と同時に、自分とは少し考え方が違う、とも感じていた。狙って送ったのかは分からないけれど、2018年が終わる最後の60秒間のうちに送ったこの方は、かなりセンスあるなと思った。いいね。しっかり届きました。この記事を読んでくださっているのかは分からないけれど、あなたの紡いだ言葉は隅から隅まで目で刺した。ズブズブと音が鳴るくらい。自分がもう少しだけ不器用だった頃、全てに全力で向かっていたあの頃、みんなと同じ服を着ていたあの頃、似たような感情を持っていた。

 

日本人は多数決が好きで、同意同調を重んじる国柄だから、みんながしているからという理由で自己を殺してしまいがちだ。波風立たないように生きていくにはそれが一番手っ取り早い。多くの人が思っているのだから、そう生きていくのは仕方がない。本当にしょうもない。自分はそれについて未だに嫌悪感を抱き続けている。なのに、未だに波に逆らって生きられないでいる。人の目は気にしない、それをゼロにはできない。「世間体」。この世で唯一嫌いだった人が1番気にしていた言葉だ。1番嫌いだから、自分は1番気にしてしまう。それでも自分を変えたくて仕方がなかった。結局、いつになっても変われなくて、今もそれに縛られている。

本当にしょうもない。

2018

10/10 8:23_
 夜遅くに遠出して友人と美味しい魚を食べに行った、こんな夜が続けば良いのにって、なんだか今日を終わらせたくなくて、友人と別れて1人、家までの道のりを無駄に遠回りをして、真夜中ドライブを堪能した、ここには何もないけれど、愛おしいなと思った、またね


10/10 17:21_
 床にちらばったCDのいくつかを眺めて「お前ら、俺みたいだな」と呟いた声は、悲しいけど誰の耳にも届かなかった 通り雨が過ぎ去るのを待ち構えていた雀たちの嬉しそうな鳴き声が、俺をめちゃくちゃにした


10/14 7:53_
 半身浴をしながらこれを打っている 連日踊った疲労が見事に溜まっている、もう自分が若くはないことを知らしめられる 今日はゆっくり休みたいな そんなことを言ってはいられず また朝から踊りにゆくのです 今日は、朝は勿論のこと、夕方から2本のレッスンが待っている でも、生徒たちの頑張る姿を見ると先生、力が出るのです、そして最後には自分が楽しくなっちゃっていて、ついつい必要以上に踊ってしまうのです 元々、股関節が悪いので通院しながら踊っています この生活から離れたくないな、そればかり思います最近


10/22 18:37_
 小学生の頃の時間のスピード感覚のまま、今を生きてみたいよ


10/22 19:04_
 ちっぽけな自分には何もなくて何をすれば何を願えば何を想えば何を憎めばいいのかと、白い部屋で叫んだんだ、独りぼっちで、窓から見える月を眺めて

「なあ、お月さん、君がこんなにも明るくこちらを照らすもんだから、僕が上手く隠れられなくなったじゃない?」

ここでは生活感のない言葉ばかりを吐き出して仕舞うんだよ


11/6 22:56_
 ここが好きだから、間違えたくない


11/7 9:35_
 歳をとりたくない、明日にならないでくれ


11/14 7:38_
 どこにいても取り繕って仕舞わぬように生きたいし、曝け出したとて自分が精神的に平気でありたい そんな理想の日は来るのだろうか


11/16 11:38_
 君は僕に何の興味もなくて、ただ自由が欲しい、哀しいけどただそれだけなのだね


11/16 14:06_
 雨だ、中も外も


11/16 16:08_
 今日は恋人と過ごす最後の夜なんだ、また少し旅に出てくる たった1ヶ月、離れ離れになるだけだ 仕事を終えたらまた元の生活へ戻る あたたかい生活へ、戻る


11/21 21:31_
 ここ数日体調不良で、今朝ついに熱が出た 回らないアタマで、勢いで、もうここに遺そうと思う ひとまず急に申し訳ないです 心配されている方が多いですが体調不良以外は元気です 風邪、はやく治って欲しい メールは読んでいますありがとう 全部に返事が書けないのだけれど、色んな考えの人がいらっしゃるな、と思っています

先程、「管理人が出しゃばりな気がする」ということばをいただいて、本当にそうだワ!!!と感じています 自分が気持ち悪くて仕方がない 出来れば何の対応もしたくない!というのが正直な思い 自分が何をしたいのか、本当に分からなくなってきました とりあえず、見るに堪えないほど汚れてしまっているので掃除をしたら戻します


11/23 7:18_
 素敵な夜だった、思い出すと泣けてくる朝だ 今日はライブへ行ってくる 体調はよく分からない 昨日は結局ワインを開けてもらったから、申し訳程度に2口だけ口へ含んで飲み込んだ 少しの罪悪感と後悔とが赤のぶどう酒と一緒に喉を伝って内臓を侵食した


11/26 10:04_
 夜明けの竹田城、行ってきました 写真をたくさん撮りました 雲海はとても綺麗でした 見られてほんとうに良かった


11/26 23:06_
 もうくたくた、無事に家にたどり着いた 天橋立から凡そ250km、途中で明石駅へ寄って明石焼きを頬張った お店で食べる明石焼きはこれがハジメテ たこ焼きの形をしていない、とんぺい焼きみたいな明石焼きだった


11/29 7:51_
 「ゲノム編集」のこと、全国ニュースでも大々的にやってる ゲノム編集した生殖細胞を人間の体内に戻す行為は倫理的にダメでしょう、という暗黙のルールが世界各国の中であるみたい 他国では強く禁止しているところもあるけれど、日本じゃ法的拘束力はないって聞いたことがある(テレビではエイズの研究を除いてソレを禁止することに決めた、と報道されていた) 中国では研究がずっと前から進められていたみたい デザイナーベビーだとか、今後問題になるようなことが起きなきゃいいけれど エイズで苦しんでいる人にはソレが唯一の光なんだろうな…


11/29 10:56_
 反応があって素直に嬉しい 竹田城の雲海の写真も鋏にあげました 死ぬまでに一度でいいから見てほしい、そんな景色だった 4:30頃から登り始めて、朝日が上がったのは7:30頃 寒いのも相俟って空が綺麗で、ほんとうにいい絵だった


12/1 12:31_
 君の名前が好きだった 僕とは正反対の君にいつも憧れていた いつも青になりたかった


12/1 12:49_
 そういえば、ここ3日間、指に何も付けていない 両手に輪がないことに結構慣れて来たようだ


12/3 13:13_
 嘘吐きだと思ってしまう自分のこと何も分かってないくせに私が優しいだなんて?笑ってしまうな僕はそんな出来た人間じゃないしあなたは自分自身のことをちゃんと理解しているの?


12/3 20:25_
 あそこにいるときの自分はSNS上の自分に少しだけ似ていると思う ここの自分と違うと感じるのは、ここは自分の核のさらに中枢みたいなものだからじゃないかなと勝手に思っている 無理に作っているわけじゃなくて、何年も前からここに来たら自然とそうなって仕舞うのだから不思議でたまらない アレは核から一番近くの膜みたいな自分だ


12/3 20:35_
 気が付いて反応をくれたのは君がはじめてだと思う、メールをありがとう こんなのだけれど良いかな?変わらず居てくれたら嬉しいよ


12/3 22:16_
 今日が終わるの名残惜しいな、なんて思いながら、静かに玄関のドアを開けて、車のエンジンをかけた ちょっとだけ、「いつも通り」にサヨナラ


12/4 8:48_
 縛られたくない、何もかも


12/4 18:39_
 30近いサイトさんが自分の作ったランキングにいらっしゃるのは、どう考えても感慨深いな、と改めて感じている その中でも入れ代わり立ち代わり、居なくなっちゃったり戻ってきてくれたり、通知が届く度にうれしく、時折寂しく感じたりしていて、幸せなことだよなとふと思った


12/4 18:54_
 夕方、愛用していたブラッドストーン(誕生石)のブレスレットを盛大に引きちぎってしまった 完全なる事故、不可抗力だった スーパーの袋がうまい具合に力をかけてくれたようでパン!という音とともに弾けた 幸いすべてのストーンを回収することはできたのだけれど、左腕がかなり寂しい!と感じてしまって、ずっと嵌めるのを休んでいた指輪たちをとうとう戻してしまった 両指、おかえりなさい 別にどうでも良い、ここに態々書くようなことでもないのだけれど、遠距離になった恋人がはじめてくれたお揃いのブレスレットだったので、弾け飛んだときは至極青ざめた 4年間毎日そばに居たものが急になくなると全然しっくりこないみたい なんだか気が抜ける


12/6 7:03_
 そうだといいな、誰よりも傍で一緒に戦ってきたから最後は何かから護ってくれたのかもしれないね

>>ブレスレットが切れたの、何か悪いものが忍び寄っていたから管理人さんの身代わりになってくれたんじゃ


12/8 3:25_
 寝なきゃって思えば思うほど寝られなくなる


12/9 17:44_
 5時間踊り続けました、ほんとうに最近ダメダメだ、5時間くらいで身体が悲鳴上げてる、年齢のせいにしてるけど体力付けなきゃならない


12/10 15:47_
 久しぶりに整骨院にきています歪んだ身体なおしてもらおう


12/10 20:04_
 左と比べて右脚の筋力が弱すぎだということが判明 診察中、力が全く入らなくて笑ってしまった、筋トレしようかな


12/11 7:24_
 なんにもなかった、取り柄といえるものなんて どう考えたって、普通の人間なら、わたし以外を選ぶはずだった きっとあなただって、そう


12/11 23:19_
 恋人に会いたい、それだけを想って眠る


12/11 23:28_
 バカみたいだろう?笑っちゃうよな


12/12 14:10_
 2018年が終わるね、あっという間過ぎるな、仕事探し、自分もしなくちゃいけない 年度が変われば外へ出ようとしています お互い職探しがんばりましょう あまり気負いせずにね


12/12 15:23_
 実は、中学生のころ親に買ってもらったスナオクワハラの服がタンスに大事にしまってある パンツとニットのタンクトップはヘビーローテーションしてすぐにダメにしちゃったのだけれど、カーディガンだけは未だに1年に1度だけ着ている 細工がすごくて大事にしないと壊れてしまいそうなんだ カーディガンはもしかしたらプレミア付くんじゃない?って思っている 2005年とか2006年頃の作品だもの


12/12 15:31_
 子どもの頃から「大人っぽい」と言われ続けてきた要因が、服装に関係していると思う 中学のときに買った服が未だに着れるって凄いことだよな まず、スナオクワハラの服を買ってくれた当時の母親の頭は相当おかしいと思うけどね 金銭感覚的な意味で 3着で4,5万支払っていたからね、タグ見ず買うから大人って怖いなって未だにあの記憶は脳みそにこびり付いている


12/13 5:24_
 外がうるさいサイレンの音で目が覚めた 火事かしら


12/13 14:01_
 昨日何ヶ月かぶりにどうぶつの森アプリを開いた フレンドがほとんどログインしていなくて笑ってしまった 来週から予約していたスマブラ開封する予定なのでそれまではログインしてみようかなと思っている しずえと早く戦いたい


12/15 2:46_
 変わらない言葉と変わりゆく気持ち


12/16 16:16_
 ダンスの生徒たち、全員ほんとうに可愛いから全人類に自慢したい さっき送ってもらった集合写真、撮られた自分の顔が幸せそうに笑っていてこの空間に居られることが何よりも宝物だなって思った


12/17 0:46_
 大乱闘スマッシュブラザーズしてた


12/18 11:28_
 モールス信号、いいでしょう?自分も気に入っているので褒めていただき光栄です (そういえば参加させていただいてるランキングのタグを貼るページを作ろうとしていた途中でした トップページを自分のランキングリンクに替えて満足してしまい、すっかり忘れておりました お恥ずかしい)


12/18 11:29_
 大乱闘するのに明け暮れていたせいだワ


12/19 0:40_
 こんな時間に1人で、Nintendo Switchエッシャーのだまし絵みたいなパズルゲームの体験版をプレイしている


12/24 7:28_
 朝露が零れるように誰にも気が付かない感情が溢れて蒸発した


12/25 9:26_
 福岡で開催中の「クリープハイプのすべ展」へ行ってくる


12/27 10:50_
 嫌だよ、何なの今更やめてよ


12/27 11:09_
 久しぶりに「レム睡眠と嘘」を更新します とてもとても世界が青く重たいので

クリープハイプのライブへ行ってきた。

彼らの演奏する音楽を生で聴いたのはもう何年ぶりだろう。1番お気に入りの、2011年の夏に買った「社会の窓Tシャツ」を着て参戦した。そうだ7年前だった。当たり前に今回のツアーTシャツを着ている群衆の中、ひとりだけのソレは少し浮いていたかもしれない。

スポットライトが照らした4人はすごく輝いていて、人気が出て、お客さんがたくさん入るようになって、本当に良かったなと素直に思えた。昔の曲、3,4年前のバンバン新曲だしてた頃の曲、今回のアルバム曲。色んなものを演奏してくれたのでとても満たされた気持ちだった。手を挙げ、揺らし、飛び跳ね、音楽に酔った。

 

「今回のツアーではアンコールはしていません、これが最後の曲です、隙間を埋められたかな?もしまだ隙間がある人がいたらこの曲で全部埋めて帰ります」

 

尾崎さんが言葉を口にして始まった最後の曲は「栞」だった。アンコールがないのは潔くて尾崎さんらしくて良かったと思う。7年前よりも輝いていて、でもあの頃みたいに悪態ついてて、嬉しかった。出待ちするであろう若い子たちの列をすり抜け、買っておいたツアーTシャツに着替えて、夜道を歩きながらライブ良かったねとたくさん話をした。

自分の感情の保存先は、決まってここインターネットだった。

なぜだろう、何となくここが良いと思ってしまう。いちばん古い記憶の留置所だからだろうか、よく分からない。tumblrはてなブログInstagramTwitter。色々な書く場所を持っている。なぜ紙にぶちまけたりしないんだろう、なぜここへ落ち着くんだろう。それでも全部をリセット出来れば、なんてことを思ってしまう。いつも、思っているだけ。

 

20周年ということで、界隈でまた話題になっている「serial experiments lain」を昨日一気に観た。一言で言ってしまえば、前衛的アニメ。プレイステーションのゲーム版にはプレミアが付いているようで、今は諭吉を差し出さないと手に入らない代物らしい。最近、好きなゲーム実況者さんがゲーム版lainを再実況されていることで、アニメが20周年ということを知った。今で言うネットワークの世界と現実世界の狭間にいる少女の話。作中ではそれぞれ前者を「ワイヤード」後者を「リアルワールド」と呼ぶ。個人的にどストライクな内容で、理解するのが難しいところとか、綺麗なグロ要素だとか、のめり込んで仕舞ったのを覚えている。アニメは、ゲーム版よりもグロテスクなカットや、精神的にくるものが少し抑えられているような気がする。ゲームとアニメは話が全く違うと聞いていたけれどこういうことか!という納得もあった。主人公は同じなのに、違うストーリーにしてしまうことに驚き。ほとんど忘れていたから観直して本当に良かった。


良かった。とても良かったのだけれど、完全に感化されている。自分は今、インターネットに疲れている。少しの衝撃で消えてしまいそう。

また歳をとった。

正直、信じられない。生活が変わりすぎていて、去年の11/8が遠い昔のように思える。

歳を重ねてゆくうちに、誕生日というものに、なんとも言えない「恐怖」を感じるようになった。得体の知れない黒い煙のようなものが自分に近付いてきているような、そんな感覚。一昨年くらいからそれが顕著に現れるようになり、誕生日というものにあまり興味がなくなって仕舞った。

今日はそんな暗い日にしたくなくて、こっちから誕生日アピールしてやろう!とSNSに写真をあげた。それが良かったのかは知らないけれど、幾分笑顔でいられたんじゃないかな。誕生日ってだけでワクワクしていた、子どもだった頃の気持ちを、かたちは変われど取り戻せたらいいな、と思う。

ハッピーバースデートゥーミー、幸せになりなよ。

ミスタードーナツの看板を見かける度に、syrup16gを思い出して仕舞う。

というのは、シロップファンあるあるでは無かろうか。ミスタードーナツでバンド名を決めていたとき、店のコーヒーシロップが16gだったからsyrup16gになった、という話はファンの中じゃ当たり前の話だろう。

「美味しいお蕎麦屋さん見つけたから、今度行こう」とか「幸せはヤバいんだ」とか「広い普通の心をくれないか」とか「全人類兄弟、けんちん汁ちょうだい」とか……、ふとした瞬間に出てくる強烈な歌詞の記憶。書いていたらキリがねえ、しねえ

 

それはさておき。先週の土曜日を振り返る。カラオケは本当に楽しかった。彼とは音楽の趣味が似ていたので普段じゃ絶対に歌えないsyrup16gGRAPEVINEゆらゆら帝国だって歌えた。シロップを歌える機会というのは今まで殆ど無くて、ここぞとばかりに歌えるものは全て歌い尽くした1日だった。

「歌えない」理由というのは、曲名、歌詞の内容を見ていただければ容易く想像がつくとは思う。「空をなくす」というのは向精神薬の「ソラナックス」のことを指すと言われているし、「吐く血」はアレ、「手首」はアレのことだ。鬱ロック、という言葉で当時流行った。今はもうそんな風には呼ばないのかも知れない。

彼、五十嵐隆のつくる曲は、その曲の殆どが力強さの欠片のない代物だ。彼は、元気がない。嫌いな他人の悪口、社会への嫌悪を吐き捨てるなどというよりは寧ろ、生きることへの諦め、喪失感、虚無感、幸せへの恐怖を歌う。五十嵐のバンド活動は、限りなく「静」に近い「動」だ。

だから、五十嵐のことを全く知らない方とのカラオケでは、とてもじゃないけれど「歌えない」のだ。

自分の好きな曲の中に「天才」という歌がある。疾走感のあるメロディが最高に格好良い。歌詞は隠喩的。これなら人前でも歌えるかも、と2人で確認し合いながら歌ったのは少し可笑しかった。

こんなことを綴りながら、以前「あなたの言葉をみてsyrup16gを聴いてみたよ」と言葉を遺してくれた方がいてとても嬉しかったのを思い出した。だから、敢えて言う。

 

syrup16gは上手くいっている時に聴くのが1番響くよ」

機種変更をした。

4年ぶりに。

仕事を始めた年の夏に変えて、仕事を辞めた年の夏の終わりに変えた。ケースも付けてやらず、アスファルトの上、コンクリートの上、あらゆる現場の地面の上に落とされ置かれた我が携帯電話。お役目ご苦労さま。バッテリーの寿命を日々ひしひしと感じられていたので、本当に「お疲れ様」という心境だ。落としてばっかりでごめんね、君は歴代の中でもトップを争う頑丈な携帯電話だったよ。みなさんが「スマホ」と呼ぶ最中、自分だけはまだまだ「携帯」と呼んでしまう。歴代の携帯電話たちの棚に彼も仲間に入れて、新しい赤の「携帯」に今度は頑張っていただこう。じゃあね。

最近買った最高のもの

をご紹介しようと思う。

 

「果実」という名の画集。作者は、ツイッターで話題の「アボガド6」さん。私は昔から大好きだったけれど、今や人気はものすごいことになっていて圧倒されまくっている。(そういや、そとなみ先生こと石田スイ先生のときもそうだった。)

朝と夜とそのあいだ、いろんな時間の絵たちを集めた画集。「意図して描いてなかった」と、あとがきの方で言われていたが、いやいやわざとでしょ?ってくらいピタッとそれぞれが在るべきところにきれいに嵌っていて。お陰様でハマってしまった。手元に彼(勝手に男性だと思っている)の絵があるというのもとても良い。発売初日に買って良かった。

 

前作の漫画、

「からっぽのやつでいっぱい」のときもそうだったけれど、「えええ、これとあれつながってるの~~?!」という発見もあり、作品としては一枚または数枚の絵で完結されているのにもかかわらず、1冊で1作品!という風に感じられて(これを意図していたのかも?)やりよる、アボガド6さんやりよる……と、完全にヤラレてしまった。好き。

 

アボガド6さんの作品との出会いは、ツイッターにあげていた過去作品の「2重絵」(正式名称は知らない)だった。同じアングルからの2枚の絵を重ねたもので、プレビュー画面ではおだやかなあたたかい絵が、クリック(タップ)して全画面表示になるとどうしようもなくダークな絵に変わってしまう、というもの。自分は「陽」と「陰」の「2重絵」、なんて勝手に呼んでいる。「光」と「影」というか、「本音」と「建て前」というか……。世の中の闇をかわいらしいイラストでまがまがと描かれていて。あのときの衝撃がすさまじくて、今に至る。なんだこの人天才かよ、と。アボガド6さんつながりで、バルーンさんこと須田景凪さんも好き。二人とも、かなり応援してる。

 

 

と、こんな感じで。

他にも文章をつづる空間を持っているだけに、ここは何を落とす空間にしようか、とても迷っている。今回みたいに、ただひたすらに持ち余している大量の漫画やCDのレビューを思い出とともに書き殴る空間、ってのもアリかもしれない。

おしまい。

寝てもないのに清々しい朝だと思った。

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急ぎの仕事はやり終えた。「今日は早く帰りなよ、連日だろ?」と上司が言った。新しく入ってきた人に美味しいコーヒーの淹れ方を教えてあげた。青みが強くかかった薄いグレーの混じる日だった。